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そもそもマリーシアって何?
普段の生活などでは聞きなれない「マリーシア」という言葉ですが、いったいどんな意味があるのでしょうか?
マリーシアとは主にサッカー王国ブラジルで伝えられている考え方ですね。
サッカーにおける駆け引き、相手の裏をかくようなプレーや、それができるようになる頭の良さの事です。
日本ではその認識が違う場合があるようで「ずる賢い」→「ずるい」と解釈する人もいるようです。
でも決してマリーシアとは審判に隠れてファールを試みたり、ルールに反して試合を有利に進める事ではありません。
基本的にサッカーは相手の嫌がることをやり続けるスポーツです。
相手が思ってもいなかった場所にパスをしたり、予想とは逆のプレーで相手の裏をかく駆け引きが、サッカーの醍醐味でもあるのです。
ではどうやったら相手に予想もできないプレーができるのか?
ブラジルでは子どもの頃から、常に相手の裏をかくことを考えながらプレーしています。
相手の裏をかくということは→相手を騙すということです。
それはルールに反してすることではなく、キチンとルールに則って行うことができるものです。
例えば「相手の背後を取る」という言葉はサッカーで良く使われるのですが、どうすれば相手の背後を取れるでしょうか?
自分のマークに付いている相手ディフェンダーは、背後のスペースを突かれまいとして必死にマークしてきます。
そこを何とかこじ開けようとして、何回も相手の背後に走り込むのも良いのですが、それでは疲れるし何より相手に読まれてしまいます。
ではブラジルなどでマリーシアを身に付けている選手であればどうするでしょうか?
ブラジルに限ったことではないですが、うまいフォワードの選手は相手のマークが厳しい時にあえて「死んだフリ」をすることがあります。
まるでもうプレーする気持ちが無いかのように、力の抜けた様子でボールの行方だけ追います。
しかしディフェンダーが少し気を抜いた、次の瞬間突然スペースへ向けて走り出し、ボールをもらう動きをします。
自分が一度「死んだフリ」をして、敵の集中力をうまく削いでおくわけです。
でもこれって相手を欺いて・・・
言い方によっては「相手を騙している」ことになりますよね?
しかし、これこそがマリーシアなのです!
マリーシアはどこで使う?
サッカーの試合中にマリーシアはどこで使えば良いか?
その答えは・・・
“ずっと”です。
サッカーの試合中は、駆け引きが随所で行われています。
例えばこんな場面では激しい駆け引きが行われますね。
・残り時間が少ない状況で、勝っているチームが時間稼ぎ
・オフ・ザ・ボールでの駆け引き
・ボールの奪い合い(腕などを使ってのボディコンタクト)
・プレーが止まった場面
プロの試合などを見ていると、至るところで激しい駆け引きを繰り返しています。
そういった視点で試合を見ているのも面白いと思います。
そこでは局面を有利に運ぶために、如何に相手を欺いて勝利するか、選手たちは競っています。
その時にうまく頭をを使って、相手の裏をかくことが出来る選手が、マリーシアを持っていると言えます。
何をしてくるか分からない選手は相手にとって、とても嫌な存在です。
マリーシアに長けた選手は、敵の予想を裏切るプレーが得意なので、厄介なプレーヤーになりますね。
そういう選手にずっと集中して対応を続けるのは、精神的にもすごくストレスがかかるので、大きな負担になります。
サッカーの試合は長いので(大人は90分間)長時間、大変なストレスを抱えながらプレーしていると必ず綻びが出てきます。
そうなった時はマリーシアを持った選手にはかなわない状況になってしまうのです。
そしてもう1つ重要なことが、プレー以外でもマリーシアを使えるかどうか?です。
海外の選手はボールがアウトオブプレーになった時に、相手選手に何気なく声をかけたりします。
しかし実は相手選手の動揺を誘うためだったり、少し挑発してわざと怒らせて冷静さを無くさせたりするのです。
そして審判も試合の流れに大きく関与してきます。
どんなタイプの審判なのか、良く見極めてそれも踏まえたうえで、プレーすることも大切なのです。
選手の発言に対して厳しいか?
ジャッチはうまいかどうか?
審判だって人間ですから、感情に左右されることもあります。
自分のチームにより有利になるように、審判に対してもチームや自分の言動を意識することだってマリーシアだと言えます。
日本の選手はマリーシアが足りない
一般論として言われていることに日本人選手は、ヨーロッパや南米の選手と比べてマリーシアが足りないと言われています。
日本人はもともと生真面目な性格の選手が多く、子どもの頃からフェアプレーを尊ぶ精神を推奨されて育成されるからと言われています。
しかし今では日本にもサッカーは広く浸透して、頭を使って相手を欺くプレーというのは、普通にジュニアの世代でも教えています。
オフ・ザ・ボールで相手から離れる動きや、腕をうまく使ってボールキープするなど、駆け引きの部分は教えていると思います。
日本選手とマリーシアに長けた海外選手との違いは、オフ・ザ・ボールの際の駆け引きにあると思います。
当然、オン・ザ・ボールの駆け引きも重要ですが、オフ・ザ・ボールの時はやはり海外の選手に分があるように思えます。
ボールがない時、もしくはプレーが中断した時、マリーシアを使う選手は相手を揺さぶる行動を取ったりします。
ボールが来るはずないのに動いてみたり、ディフェンダーを挑発するような言葉で冷静さを削いだり、反対に親密に話しかけて安心させておいて一気に激しいプレーに移行するなど・・・
プロのトップレベルの試合では、どんなチームと戦っても技術的な差はほとんどないと言えます。
そのせめぎあいの中、ほんの少しだけ相手より頭を使って、相手を出し抜くようなプレーが試合を決定付けることもあります。
勝利のためにはオフ・ザ・ボールの時でも相手と駆け引きをして、試合を有利に運ぼうとする意識がマリーシアを生むのかもしれません。
マリーシアに必要な要素
ではマリーシアをうまく使うにはどんなことが必要なのでしょうか?
細かく項目に分けて考えてみましょう!
1.役者になる
相手を欺くためには(サッカーですよ!)、芝居も上手くならないといけません。
南米の選手は遊びのストリートサッカーなどでは「あっっ!コインが落ちてる!」と言って、相手がコインに目をやった瞬間にドリブルで抜き去るというギャグは定番です。
他にも・・・
「あっ!先生が来た!」
「いっ!きれいな女性がいる!」
「うっ!う●こが落ちてる!」
などが良く使われます。(笑)
でもこれってベタなネタだけに相手を信じ込ませるとしたら、演技力が必要だと思いませんか?
ボールを持っている時のフェイントも、右に行くと見せかけて逆を突いたりしますよね?
それって如何に右に行くと思わせるか?の演技になるのです。
普段から演技を意識して、相手にそう思わせるような工夫をすると良いと思います。
※普段の生活の中で悪用してはいけませんが・・・
2.型を持つ
ノールックでのパスや創造的なプレーも、いきなりやろうとしてもできないものです。
相手を欺くようなプレーは何度もチャレンジして、やっと自分のものになっていくものなのです。
ですからやはり練習を重ねて、相手が嫌がるプレーも精度を上げていくことが必要です。
ロナウジーニョだって最初から、ノールックパスが出来ていたとは思えません。
そしてロナウジーニョはノールックパスを送る時には、既に味方と敵の位置関係を全て把握しています。
子どもの頃から何度も練習してチャレンジを繰り返してきたから、今では難なくプレーしているように見えるのです。
3.周りをよく見る
マリーシアを使うには、周りの状況を良く把握しておくことが必要です。
当然試合の状況でも変わりますが、相手チームの選手や監督がどんな気持ちでいるか、考えておくと相手の嫌がるプレーも分かってきます。
試合の雰囲気だって結果に反映してきますから、審判や観客も含めて味方になってくれる人が多い方が良いです。
そういったことも考えてプレーできると余裕持ててすごく良いと思います。
※私自身はここまでできませんが・・・
マリーシアを身に付けよう
相手に勝利するために必要なマリーシア。緊張感が高まる試合中こそ、とても有効になると思います。
では、どうしたらマリーシアが身に付くのか?少し考えてみたいと思います。
常に相手の考えていることを想像する。
これは相手の裏をかくために、とても重要ですね。
今、相手が何を考えていて、どんなプレーを嫌だと思っているか?常に考え続ける必要があります。
例えば自分のチームが1ー0でリードしている試合終盤•••
相手選手はどう思うのか?
疲労もたまってきた中で、グイグイとドリブルで仕掛けられると困るのか?
パスをテンポ良く回されて、逃げ回られる方が嫌なのか?
相手を良く観察して、敵のウィークポイントを突くようにするのです。
※私生活ではおススメ出来ませんネ
相手の考えることが試合中にも分かって来るようになると、マリーシアが身に付くようになります。
リラックスする
これも日本の選手は苦手じゃないかと思います。
土壇場のところで体の力を抜いて、リラックスした状態になれる選手は強いです。
そしてマリーシアを発揮できるのも、リラックスした状態の方が良いですね。
緊張状態にあると、中々相手を出し抜くことは難しいです。
そんな時は自分のことで精一杯ですからね。
リラックスして、冷静に状況判断が出来ないと、マリーシアも効力を失ってしまうでしょう。
サッカーを心から楽しんでプレーすると、リラックスできると思いますので、常に楽しみながらプレーすることを心がけましょう
まとめ
ブラジルをはじめ南米などでは、サッカーが生活に染み込んでいるので、私生活の中にサッカーがあるというような感じです。
歯を磨いたり、食事したりするのと同じレベルの習慣化がされている選手もいます。
私生活の中で冗談を言ったり、ちょっとイタズラをしてみたり•••
そんなノリでサッカーに取り組むと、案外マリーシアも身についていくと思います。
ただ、土壇場でギリギリの勝負をしている時に、試合を決定つけることになるかもしれないのは、ほんの少しだけ相手より頭を使うことです。
マリーシアは相手より頭を使うことに他なりません。
相手を良く観察したり、相手の考えていることを想像するのは、私生活でも必要なことです。
そういったことを普段から意識して行動していけば、常にリラックスして頭を使うことができるようになります。
観衆の度胆を抜くようなプレーや、相手から嫌がられる選手になりたいなら、マリーシアを身に付けた方が有利です。
常に考え続けることを意識してマリーシアを身に付けましょう!
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